クラウド会計ソフトのシェア比較

クラウド会計ソフトのシェア比較や新規上場マネーフォワードとライバル企業freee、弥生の比較についての考察について

クラウド会計ソフトのシェア(中小企業向け)*

freee 35~45%
弥生 15~25%
マネーフォワード 10~15%
その他 25~30%

クラウド会計ソフトのシェア(個人事業主向け)**

弥生 50~55%
マネーフォワード 20~25%
freee 15~20%
その他 5~10%

 

個人事業主向けのシェアで注意が必要なのは弥生とマネーフォワードは無料プランがあり、freeeでは実質的に存在しないことだ。有料会員に限ってみればfreeeはもっと善戦しているとみられる。

 

会計ソフトの市場について

大企業向け会計ソフトは企業に合わせた特注で、もともとSIerが開発しているので、新興勢力のfreeeやマネーフォワードがそのシェアを奪うのは難しく、これからシェアが激変しそうなクラウド会計は中小企業向けと個人事業主向けである。中規模法人向けも難しいと思われる。よって、ここからは中小企業向け個人事業主向けに絞って分析を進める。クラウド会計ソフトはこれからマネーフォワード、freee、弥生がシェア争いをしていきそうなのでその分析をメインにする。

マネーフォワードとライバル企業のfreee弥生OBCについての比較

マネーフォワードについて

マネーフォワード(3994)は9月に上場予定。クラウド会計と家計簿資産管理アプリを行っていて、会計情報をもとに融資や売掛金保証業務などの新しい事業も展開。この点でオリックス傘下に入った弥生と競合している。また、マネーフォワードのクラウド会計の対象は、主に小規模法人又は個人事業主なのでこの点でも弥生やfreeeとライバル関係にあたる。マネーフォワードは2q時点までで損失の累計が33億円以上ある。MFクラウド会計の売上高は半年で6.3億円。

 

マネーフォワードについての詳しいデータや分析は新規上場マネーフォワードのまとめの以下の記事を参照してください。

 

freeeについて

freeeはクラウド会計で先行。freeeの社長はGoogle出身で宣伝のためfreeeと書かれたTシャツを着ている。

freeeはマネーフォワードに対して特許侵害で訴訟を起こしているが敗訴している。freeeは減資額から推測して今までの損失の累計が40億円以上はありそう。マネーフォワードは2q時点までで損失の累計が33億円以上ある。

freeeは、会計ソフトと密接な給与計算ソフトでも高シェアである。

freee
freee資料:中小企業のクラウド化による
生産性向上の取組より

また中規模法人を強化するためクラウドERPも提供を開始している。

弥生について

 

弥生はパッケージでかなりのシェアをもっていたがクラウド会計ソフトは出遅れ。しかし、オリックス子会社になりクラウド会計やその他の周辺ビジネスを強化。弥生はオリックスという資金力を手に入れたため未だ赤字のマネーフォワードにとっては強力なライバルといえる。freeeやマネーフォワードの今までの赤字額を考えると資金力は大きな武器であり弥生はクラウド会計を制する有力候補とみられる。

オービックビジネスコンサルタント(OBC)について

OBC(4733)は上場企業。オービック(4684)の関連会社。
中規模向けに強み。勘定奉行などの奉行シリーズは有名だが、弥生、freee、マネーフォワードと比較して高価な価格設定となっている。freeeやマネーフォワードがOBCのシェアを奪うのは難しいと思われる。

参考企業intuit

アメリカの会計サービス大手intuitは時価総額$36B(約3.7兆円)で年間売上$5,177M(約5,200億円)

 

売上や時価総額の比較

決算期について売上高(億円)時価総額(億円)
マネーフォワード直近の6ヶ月分6.3(クラウド関連のみ)推定200以上
freee直近の6ヶ月分6.3以上未上場
弥生2016.9月期161.6800(オリックス買収時)
OBC2017.3月期232.92223

基本的に、会計ソフト開発会社の売上には会計ソフトのみならず、その他の周辺ビジネス給与計算や勤怠管理や保守サービス業務などの売上高も含まれる。

 

クラウド会計の市場規模

現状では中小企業向け及び個人事業主向けのクラウド会計の市場規模は、100億円とみられる。

 

ただこの数値は現在の数字であって将来は全く異なると思う。その理由を以下で説明する。

現状ではそもそも会計ソフト自体を利用していない個人事業主又は中小企業がかなり存在している。会計ソフトを導入していたとしても現状ではほとんどがパッケージで、まだクラウド会計は15%程度。実際、クラウド会計ソフトでそこそこシェアのあるMFクラウド会計の売上高は半年でたった6.3億円しかない。

法人向け会計ソフト利用率
法人向け会計ソフト利用率 出典:株式会社MM総研が2016年9月29日に発表したデータ
会計ソフト利用率
個人事業主向け会計ソフト利用率 出典:株式会社MM総研が2017年4月13日に発表したデータ

まだ会計ソフト自体を利用していない層がこれからクラウド会計を利用するようになり、パッケージを利用している層がクラウド会計を使うようになれば、クラウド会計の市場規模は飛躍的に高まる。設立1年未満の中小企業・団体では、クラウドの利用率が5割超になるそう。

クラウド会計の市場規模の拡大に関連する周辺ビジネスの存在も重要だ。給与計算、在庫、生産管理ソフトとの連携や見積書、請求書、納品書、領収書の電子化、決済、精算作業も連携され、これらの会計ソフトと連携されるソフトの売上も市場規模に加わる。また、会計情報をリアルタイムで把握できるということは、銀行融資の審査業務を自動化し簡略化できるため人件費コストを削減でき、なおかつ貸倒率を正確に算定でき、しかも低くできるということだ。そのため貸出金利は下がるし、それは融資を受ける側のメリットとなり、クラウド会計導入の後押しとなる。GMOペイメントやアメリカのスクエアも決済情報から同様のことをしている。それ以外にも売掛金保証やキャッシュレス社会などさまざまなことと親和性が高いため、クラウド会計ソフト及びその周辺ビジネスの市場規模は大きくなっていく可能性が高い。

弥生、freee、マネーフォワードがターゲットとしている層について

弥生、freee、マネーフォワードがターゲットとしていく対象は中小企業である。中小企業の数は以下の通り。

中小企業の数
中小企業の数 出典: 小規模事業者の現状と課題について(経済産業省)

クラウド会計を導入するのは、今後相当増えたとしても中小企業と個人事業者を合わせた400万社のうちせいぜい50%程度だろう。

400万×50%×2万/年=400億のイメージだ。

さらにこれに勤怠管理、給与計算、保守サービス、融資、売掛金保証などの周辺ビジネスが上乗せされる。また、国内の会計事務所32000所に対する売上もある。

 

 

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*について:以下の情報より推定。

中小企業向けのクラウド会計ソフトシェア 出典:株式会社MM総研が2016年09月29日公表したクラウド会計ソフトの法人導入実態調査

クラウド型会計ソフト事業者シェア 出典:第四回 クラウド型会計ソフトの利用動向調査デジタルインファクト2016/8/4公表データより

**について:以下の情報より推定。

個人事業主向けのクラウド会計ソフトのシェア 出典:マネーフォワードHP株式会社MM総研が2017年1月18日に発表したデータ2017年4月13日に発表したデータ

クラウド型会計ソフト事業者シェア 出典:第四回 クラウド型会計ソフトの利用動向調査デジタルインファクト2016/8/4公表データ

 

 

 

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