S&P500のリターン(配当込み)と、これから

米国株の運用成績をまとめてみました。

 

 

概要

ここ最近米国株の上昇がすごいことになっているのでいろいろとまとめ。

主な内容は

  • 1970年からのS&P500のリターン(配当込み)
  • インフレ率
  • トランプ減税とPERや株価の関係

 

です。

 

S&P500のリターン(配当込み)

 

数値はS&P 500 Index – Wikipediaから引用しました。

まずは単純な数値から見ていきます。

S&P500のリターン(配当込み)
S&P500のリターン(配当込み)

 

下落

1970年からみていくと過去3度大きな下落がありITバブルリーマンショックなどによるものです。

 

全体

1970年から2017年までの48年間で、配当込みのS&P500のリターンは、計算してみると10.5%の複利でした。もちろん税引前です。(この後の説明でインフレ率や税引後を見ていきます)

 

資金の小さい個人投資家から見れば、10.5%は正直大したことないですよね。それでも48年間もあれば複利の力で投資額の122倍になります。100万円投資していれば1.2億円になる計算です。

 

景気拡大期

 

では次に1970年から2017年までの48年間でリターンのいい時を見ていきます。いわゆる景気拡大期であり、現在もそれにあたりますので、比較していきます。

 

期間 S&P500配当込みリターン(複利)
1979~1999 17.9%
1982~1989 18.9%
1995~1999 28.6%
2009~2017 15.3%

 

表の通り、上昇トレンドのときに、だいたい18~19%ほど運用成績があればOKという感じですね。しかも税引前で。資金の小さい個人投資家から見れば、アウトパフォームも十分可能でしょう。

現在の景気拡大期では15.3%なので数字だけみれば、過去と比べて現在の上昇トレンドがそこまで過熱感があるというわけではないです。ただ、インフレ率を考慮すると現在は低インフレなのでざっくりみると同程度くらいですね。インフレについては後述。

最近、アメリカ株は狂ったように毎日上昇するのでさすがに上げすぎだろ!って思っていたけど、過去のデータでいくとそこまででもなかったみたいです。

 

 

バブル?

 

ちなみに1995年から1999年までの5年間はちょっと異常で、それまでも20年くらいしばらく上昇トレンドが続いていたにも関わらず、上昇トレンドが加速した時期です。配当込みリターンは28.6%でありちょっと異常です。

グリーンスパン氏の「根拠なき熱狂」発言が1996年12月なのでそこからさらに3年上昇トレンドが続いたことになります。(ITバブル(ドットコムバブル)に突入していった)

 

アップサイドのシナリオ

 

では現在の状況に置き換えて、アップサイドのシナリオを考えてみると、

トランプ減税→投資や雇用拡大、賃上げにより更に景気拡大→数年後AIが収益化→AIバブル突入

みたいになり、90年代後半みたいなバブリーなことが起きないわけでもない。可能性は相当低いと思うけど、ここから1995年から1999年みたいなことも少しは想定しなきゃいけないのかなあと思っています。トランプ減税については後述。

AIバブルがおこるとすれば、まず1990年代後半のマイクロソフトみたいな圧倒的な収益力を誇る成功事例が出てくるケースでしょう。そうすれば、赤字企業でも青写真を描きやすくなるので。まだ全然その段階ではないと思います。

まずはトランプ減税による影響が重要でしょう。(後述)

 

ダウンサイドのシナリオ

 

想定より早く、物価上昇したり、金利が上昇したり、といったリスクも当然あり得るので、そうなったときはヤバいです。

あとはもう、かなり上昇しているのである程度好材料を織り込んでいるケース。

 

年間リターンのデータ(参考)

 

 

下の表は、左から、各年の騰落率、配当込みのリターン、1970/1/1に1ドルを投資していれば何ドルになったか?です。

S&P 500 Index – Wikipediaから引用

 

Year Change in Index Total Annual Return Including Dividends Value of $1.00 Invested on 1970‑01‑01
1970 0.10% 4.01% $1.04
1971 10.79% 14.31% $1.19
1972 15.63% 18.98% $1.41
1973 −17.37% -14.66% $1.21
1974 −29.72% -26.47% $0.89
1975 31.55% 37.20% $1.22
1976 19.15% 23.84% $1.51
1977 −11.50% -7.18% $1.40
1978 1.06% 6.56% $1.49
1979 12.31% 18.44% $1.77
1980 25.77% 32.50% $2.34
1981 −9.73% -4.92% $2.23
1982 14.76% 21.55% $2.71
1983 17.27% 22.56% $3.32
1984 1.40% 6.27% $3.52
1985 26.33% 31.73% $4.64
1986 14.62% 18.67% $5.51
1987 2.03% 5.25% $5.80
1988 12.40% 16.61% $6.76
1989 27.25% 31.69% $8.90
1990 −6.56% -3.10% $8.63
1991 26.31% 30.47% $11.26
1992 4.46% 7.62% $12.11
1993 7.06% 10.08% $13.33
1994 −1.54% 1.32% $13.51
1995 34.11% 37.58% $18.59
1996 20.26% 22.96% $22.86
1997 31.01% 33.36% $30.48
1998 26.67% 28.58% $39.19
1999 19.53% 21.04% $47.44
2000 −10.14% -9.10% $43.12
2001 −13.04% -11.89% $37.99
2002 −23.37% -22.10% $29.60
2003 26.38% 28.68% $38.09
2004 8.99% 10.88% $42.23
2005 3.00% 4.91% $44.30
2006 13.62% 15.79% $51.30
2007 3.53% 5.49% $54.12
2008 −38.49% -37.00% $34.09
2009 23.45% 26.46% $43.11
2010 12.78% 15.06% $49.61
2011 0.00% 2.11% $50.65
2012 13.41% 16.00% $58.76
2013 29.60% 32.39% $77.79
2014 11.39% 13.69% $88.44
2015 −0.73% 1.38% $89.66
2016 9.54% 11.96% $100.38
2017 19.42% 21.83% $122.30

 

 

アメリカのインフレ率

日本

現在の日本ではインフレ(物価上昇)は馴染みがないものになってしまいました。自分もその世代ですが。

でも昭和の日本もインフレはすごかったです。よくテレビで「当時の大卒の初任給が5万円だった時代」とか聞きませんか。いまが20万円ちょいくらいなのでそのときから4倍以上になっている計算です。

仮に初任給5万(税金や控除はなかったとして)を大事にとっておいて、タンス預金していたら、現在の価値は1/4以下になっているというのがインフレの怖さです。

 

余談ですが、マイナス金利政策の影響もあって最近、銀行のネガティブなニュースをよく目にするようになりました。例えば、口座維持手数料をとるとか、通帳発行に費用をとる等の検討についてのニュースです。

ビックリなのは、そうなればタンス預金を検討するという人が一定数いることです。インフレの恐ろしさを知らないからこういう発想になっていると思います。

 

 

アメリカ

 

アメリカのインフレ率をみると、1970年から2017年で1$が6.68$になっています。計算すると年率換算で4.0%複利です。

(数値は以下のサイトから引用し、年率換算を計算しました。)

インフレ率計算

つまり、上のS&P500のリターンの4%分はインフレによるものです。景気拡大期のいいときで15%程度のリターンという感じです。

 

トランプ減税

 

米国の法人税の実効税率は以前は約40%で、これが減税により約28%になるようです。これがPER等に与える影響はかなりでかいです。他にも減税は所得税などもありますがここでは法人税について書きます。

 

実際には、租税回避があったりアメリカ国外での事業があったりと、単純な話ではないのですが、例としてアメリカで事業を行っている内需株(例えば、小売業とか)が実効税率が40%が30%になったときを考えてみます。

株価が税率変更の前後で、同じPERで評価されるなら、株価は16.7%上昇するはずです。(もう織り込まれているかもしれないけど)

 

税引き前利益 1 1
実効税率 40% 30%
純利益 0.6 0.7
PER 20 20
株価 12 14
上昇率 16.7%

 

税率変更の前後で、同じ株価で評価されるなら、PERは14.3%下がります。つまり割高感は薄れるということです。

税引き前 1 1
実効税率 40% 30%
純利益 0.6 0.7
株価 12 12
PER 20 17.1
PER上昇率 -14.3%

 

 

減税による効果は、これから投資、雇用拡大、賃上げなど徐々にあらわれてきます。これらにより経済の押し上げも期待できます。

減税による効果(投資や雇用拡大、賃上げ)が想定以上だったり、資金の流れが変化してくると、別の国も減税してくるなんてこともないわけではないと思います。まだまだこれから減税の影響がわかってくる感じなので、材料は豊富にあります。

一旦は繰延税金資産の関係で減益決算が増えるけど。これについては簡単にいうと、税法と会計では目的が異なるので、費用計上の時期が相違することがよくあります。イメージとしては、以前に高い税率で税金を先払いしていたが、先払いしていた税金を将来に免除してもらうときには低い税率になっているため先払いしていた全ては回収できないみたいなイメージです。

 

最後に

 

アメリカ株の好材料や上昇に関して、多く取り扱ってきましたが、別にアメリカ株を勧めているわけではありませんし確実に儲かるわけでもありません。ただビットコインのようなものに投資(?)するなら、実績がありファンダメンタルズもしっかりしているものに投資したり、税金でも優遇されているNISAやiDeCoを検討してみては、と思い書いてみました。

ちなみに2000年代前半にS&P500に投資していれば、2017年まで保有していても年率換算で10%にも満たない運用成績となってしまいます。つまり長い間、「大して上昇しなかった期間」があり、そこを耐えて保有しておかないと現在の上昇トレンドには乗れないということです。またこれからもいつか、「大して上昇しなかった期間」が必ず来ますしそれがいつかなのかは誰にもわかりません。投資をするときは、焦らずにリスク管理をしながら計画をたててから行いましょう。

 

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